髪を切る2
Yたんからの返信は「頑張ってみる…」でした。
当日。普通髪切るときってくくったりまいたりしないと思ってたんですが、彼女、一つでお団子にしてきやがりました。
まあまっすぐに伸ばせば大丈夫だし、やるのは私じゃないしと特に何も言いませんでした。てくてく歩いていくこと20分。
お店につきました。紙に二人分の名前を書きます。満席でしたのでソファで待つことに。
「長さどれくらいにするの?」
「あー、決めてないわ。結べるくらい?」
「決めてないの!?」
一応ネットなんかで見たそうですが何が何だかわからなかったそうです。分かります。それ。だってほぼあれカットした状態でなくセットした状態じゃないですか。ワックスやらアイロンやらが施されているのです。そりゃ分らんわ。でもね。
「これくらいの長さとかないの」
「アトピーがあるから結ばないとダメ。」
そうです。Yたんアトピーもちでした。結べるくらいというとボブくらいでしょうか。
一人どうぞと言われたので梳くだけの私が先に行き、ついでにYたん用にヘアカタログを持ってきてもらいました。
私の髪を切ってくれている美容師さんはwktkしながら「おともだちですか?」と聞いてきます。
この美容師さんとのフリートーク、むっちゃ苦手です。いつも無言なのですが、今日はYたんの手前、余裕があるふりをしなければなりません。
「はい。高校の時の。」
「先輩なんですか?」と店員さん。
実はすっかり萎縮しちゃってるYたんより何度か来てる私の方が大人に見えたようです。不思議なこともあるもんだ。
そんなやり取りをしていると呼ばれるYたん。
…が何やらもめています。
そしてYたんの方の美容師さんが私に向かって「どうすればいいですか」と聞いてきたのです。
え?言わなかったのYたん!?と思っていると前髪のことでもめている様子です。
前髪というとまゆにかかるくらいのを想像していたのですが、Yたんは横に流してくれと。そうすると美容師さんはそれじゃ前髪じゃなくなると。そんな会話でした。
どうしたいの?と聞くと諦めたように何でもいいと。彼女の悪い癖です。
カタログにちょうど肩位の長さのモデルさんがいたのでもうこれにしちゃえと、それにしてもらったYたん。
放心状態で彼女が発した言葉は、瀬戸内寂聴ってお酒作ってるんだよでした。
さすがの会話のエキスパートな店員さんも黙るより方法がなかったようです。
私も内心何言ってんのこの人!?と思いましたが彼女にしては頑張ったので話を合わせておきました。
散々騒いだのちお会計して出ました。もちろん謝って。
お昼でしたのでご飯を食べに向かうと、また連れていってねと。
WHY?ですよ。断るのも何なのでいいよと言っておきました。
3か月後、また行く予定です。